2007年01月30日

リカルド・ロペス

リカルド・ロペス(メキシコ)
WBC世界ストロー級、WBO世界ストロー級、WBA世界ストロー級、IBF世界L・フライ級チャンピオン
ニックネーム:フィニート
生年月日:1967.7.25
戦績:50勝37KO1分


野球では、欠点がなく高次元で打って走って守れる選手を走攻守3拍子揃った選手と呼ぶ。
日本人であれば、例えばイチロー選手を思い浮かべるだろう。
別競技の話をしてしまったが、ボクシング界におけるイチロー選手と呼びたくなるような完璧なボクサーといえば、このリカルド・ロペスをおいて他にはおるまい。ひらめき
打ってよし、守ってよし、動いてよし。くつ
研究心旺盛でテクニックも十分。
まさに何拍子も揃ったボクシングの申し子である。わーい(嬉しい顔)
ロペスは、アマチュアで40勝無敗の戦績を引っさげ、鳴り物入りで1985年にプロデビュー。
怪童と呼ばれた前評判通りの圧倒的な強さで勝ち進み、次期世界王者間違いなしとの高い評価を得る。
そして、デビュー以来25連勝を積み重ねて1990年に満を持して世界挑戦。
相手はWBC世界ストロー級王者大橋秀行。
150年に1人の天才と呼ばれた大橋だが、手数、スピード、技術でロペスが大橋を大きく凌駕。右斜め上
圧巻の5回KOでロペスが名実共に世界の頂点を極めた。
歴史の浅いストロー級ではあったが、ロペスの強さはまさに別次元。ダッシュ(走り出すさま)
打たせずに打つというボクサーの理想を体現する完璧な試合運びで、ストロー級では無敵状態。
平野公男、ロッキー・リンといった日本でお馴染みの選手が手も足も出ず倒され、サマン・ソーチャトロン、マニー・メルチョール、ケルミン・グアルディアといった後の世界王者でも相手にならず。
ロペスはほとんどの防衛戦を敵地で行ったが、あまりに力の差があり過ぎてホームだろうがアウェーだろうが全く関係なし。
敗れる姿が想像できない絶対王者とは、ロペスのような王者のことを指すのかもしれない。
それほどまでに強い王者であったが、最軽量クラスの王者というだけで、世界的には一般のファンからの知名度が低く、ロペスの強さを目の当たりにしてきた日本のファンからすると信じられないほど無名な王者に甘んじていた。
日本のファンからすると、ロペスの磐石の強さは、若くして生ける伝説と化していたと言っても過言ではないほど。ぴかぴか(新しい)
ロペス自身も自分への不当な低評価には長らく不満を持っており、常々ビッグ・マッチを模索していた。
ストロー級ではライバル不在だったため、1階級上の人気王者マイケル・カルバハルとの対戦を希望するも、ロペスの危険すぎるほどの強さは他団体の王者からは敬遠されがちで、階級が上の王者でさえも対戦にはなかなか首を縦に振らず。
実力に見合わないファイトマネーに甘んじ、ストロー級王座の防衛を続けながら粘り強くチャンスを待つしかなかった。
本来なら焦れてモチベーションが低下しそうな環境下にありながら、生来のプロフェッショナルであるロペスは、普段から節制を忘れず、トレーニングも欠かさず、試合では容赦のない強さを披露する。パンチ
無人の野を行くがごとく防衛を積み重ね、20度目の防衛戦でWBO王者アレックス・サンチェスを5回KOに下してWBO王座も吸収(すぐに返上)。
ここまで全ての試合が圧勝で、はっきり言って1ラウンドすら明確にポイントを失ったことがないのではないかと思われるほどの完璧な強さを見せつける。
WBC王座21度目の防衛戦ではWBA王者ロセンド・アルバレスとの統一戦を1998年3月に敢行。
ストロー級ではどこまでロペスの独走が続くか想像もできなかったが、アルバレスはロペスが初めて迎えると言ってもいい実力伯仲の強者だった。
いつものように慎重に立ち上がったロペスだったが、2回にアルバレスの踏み込み鋭い右をもらってまさかのダウン。
冷静なロペスに珍しくがむしゃらに反撃したものの、アルバレスも打ち負けない。
7回にはバッティングによりロペスのまぶたから出血。
傷が深く、試合はそのままストップされて勝負は負傷判定に持ち込まれる。
ロペスの初敗北濃厚かと思われたが、判定はドローで辛くも不敗記録は維持。
プライドを大いに傷つけられたロペスは、同年11月の再戦での完全決着に意欲満々。
しかし、対するアルバレスは計量で大幅なウエイトオーバーの大失態。
不利を承知しつつ、ロペスはそのまま試合挙行を決断する。
ウエイト面で有利に立つアルバレス相手に大激闘となったが、要所で有効打をヒットさせたロペスが泥臭く12回判定勝利を収める。
これでWBC王座22度目の防衛を果たすとともに、改めてミニマム級最強を証明。手(チョキ)
ジョー・ルイスの25度の防衛記録を完全に射程に捕らえていたのだが、ロペスはビッグ・マッチ実現の可能性を求めてL・フライ級転向への意志を固める。
約1年のブランクを経て、1999年にウィル・グリグスビーの持つIBF世界L・フライ級王座へ挑戦。
スピーディな攻防の末、文句のない12回判定勝利で2階級制覇を達成する。
ラタナポン・ダッチボーイジム、ゾラニ・ペテロと実力者をKOして2度の防衛を果たしたが、ロペスの希望するビッグ・マッチは実現せず。
まだまだ実力十分だったが、若干の体力の衰えを自覚していた完ぺき主義者のロペスは、2002年に王座を返上。
ついに一度も敗れないままの引退となった。

今まで数々の名王者が日本のリングで強さを披露してきたが、ロペスのボクシングの質の高さは別格という感がある。位置情報
非の打ち所のないバランスのいいボクシングスタイルは、未来のファンが見ても舌を巻くだろう。
最軽量級ながらKOシーンも芸術的。
伸びるアッパーの軌道の美しさは、あのエデル・ジョフレをも凌ぐものだと管理人は思う。
精悍なマスクも魅力で、女性ファンにも人気があるとのこと。
強くてかっこいい。るんるん
つくづく完璧なボクサーである。
posted by ティト at 02:29| 岩手 ☀| Comment(14) | TrackBack(1) | 外国人ボクサー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
10年間も47キロという体重で戦い続けるのは、とんでもない節制があった証拠でしょうね。
常に同じ位置でチャンピオンとして、世界ランカーからタイトルを守り続けることほど難しいことはないと思います。
ルイスの記録が、私の生きている間に破られるでしょうか・・・
Posted by よう at 2007年01月30日 12:56
おはようございます、ようさん。
ロペスは、パワーやテクニックがずば抜けていたことはもちろん、自己管理能力も抜群の選手でしたね。
勝利への執念、ボクシングへの飽くなき探究心がロペスの強さから滲み出ています。
あのチャベスをして、もしロペスが同階級だったら自分が勝てる相手ではないと言わしめたほどですからね。
Posted by ティト at 2007年02月02日 12:04
全く同感。スキが一分も無かったですな。弱点と言えば、若くして薄くなった頭髪ぐらい。
Posted by まさきち at 2007年02月03日 15:01
こんばんわ、まさきちさん。
隙がないということはあらゆる場面に対応するシミュレーションがロペスの頭の中にインプットされていたということでしょうね。
瞬時に最適な戦法を選択して実行できる能力。
まさに戦う機械です。
Posted by ティト at 2007年02月05日 23:51
全く同感。スキが一分も無かったですな。弱点と言えば、若くして薄くなった頭髪ぐらい。
Posted by まさきち at 2007年02月03日 15:01

→まさきちさん、あなた面白いよ!!
Posted by 笑いがほしかったよ、まさきちさん at 2007年09月09日 18:00
リカルド・ロペスを歴史に残るような怪物ボクサーにしてしまった最大の原因は大橋秀行氏である。大橋秀行氏は突っ込み所満載なので是非取り上げてもらいたい所だ!まず一つ!何故に当時世界ランク4位(ただし25連勝中で評判の非常に高かった)のリカルド・ロペスをわざわざ挑戦者に指名したのか?勝算はあったのか????そして、試合だが、1Rに見事な右カウンターを決めた、効いていた。しかし何故そこからすぐに追い撃ちをかけなかったのか?少なくともダウンは取れたはず…?それ以降は何よりも手数が全く出なかった。解説のガッツ石松が盛んに「大橋、手ぇ出せ!手ぇ(怒)!打ち負けるな!」「ボクシングは手を出さないと勝てないスポーツなんですね!」と言っていたが、全くその通りである。150年に一度の天才と言われた男が、150年に一度の天才を本当に作ってしまった…。あと、大橋氏は何故、川嶋や八重樫選手を強い王者に挑戦させるんだ?徳山やムニョス、イーグルら相手に勝算あったつもりだろうが、ボクシングは何回もチャンスがあるとは限らないスポーツなので、マッチメークは慎重にしてもらいたいところだ。あと、引退した後急激に太り過ぎだ!あれでは病気になってしまう。あと、当初は亀田大毅の戦いぶりを褒めていたのに、何故急にバッシングしたのか?!亀田父の無期限ライセンス停止処分も(協会の重役ならば)解いてもらいたい。何故亀田父は息子を指導することすらかなわないのか?!これでは亀田親子はボクシング界によって駄目にされてしまう。亀田父は悪くない!ボクシングはプロスポーツだ、嫌なら見るな!ホリフィールドのトレーナーだったルー・デュバはもっともっとリングで暴れてたぞ(笑)長くなったので終わり…。
Posted by 川尻浩作 at 2008年05月10日 05:27
ちょっと待って!1番はじめの書き込み「よう」さん。
ルイスって誰・・?
もしかしてロペスと間違った?w

あと大橋氏が手を出せなかったのは「打とうと思うと、すでにそこにはいなかった」「打つ前に動きを読まれているようだった」と試合後あったように、打たないのではなく打てなかった。
天才だけに打てないのがわかるから手を出せなかったのではないでしょうか?

亀田親父はいらん。反則を指示して金しか頭に無いヤクザは百害あって一利なし
Posted by ようつべ at 2008年08月02日 18:48
ようつべさんヘ
「ルイス」は、第2次世界大戦を通して世界ヘビー級王者を25回も防衛した偉大な王者「ジョー・ルイス」の事を指していると思われます。あと、ロペス戦での大橋氏は、結局ロペスのフットワークとフェイントも交えた攻撃について行けなかったのではないでしょうか?!当時の解説者のガッツ石松氏が、「大橋はこの試合で手ぇ何発出しました?」「47発?!蛇に睨まれた蛙のようなボクシングやってしまったなぁー!」「ボクシングは手ぇ出さないと勝てないスポーツですからね。」と言っていた(笑)。1Rにはチャンスもあった訳ですから、少なくとも1Rにロペスが右カウンターでぐらついた時にもっと追い打ちをかければ勝機はあったと思います。
亀田父のライセンス無期限停止処分については、妥当とか軽いという意見は確かに多いですね。しかしながら私としては、この処分は犯罪を犯した訳でもないので重過ぎる処分だと思います。日本ボクシング協会の元々抱いていた、亀田史朗氏ヘの悪感情が、処分を通常考えられる処分よりも重いものにしたと思われます。しかし、亀田兄弟にとって、優秀なトレーナーでもある亀田父の指導は必要不可欠なものであり、ボクシング界にとっても必要不可欠な人材だと思いますので、私は亀田父の無期限ライセンス停止処分の早期解除を要求します!
Posted by 川尻浩作 at 2008年08月03日 16:01
こんばんわ。
ティトさんのご意見と同じくリカルドは素晴しいボクサーでしたね。
今日も飲みながら、今まで30年間で見たボクサーの中で素晴しいと思う2人として、
マーベラス・マービン・ハグラーとリカルド・ロペス・ナバを挙げました。
二人ともクレバーでアグッレシブに試合を進めるボクサーファイターでした。
そして二人とも評価が不当であったとも思います。
片やスーパースター犇くミドル級の王者なのに人気が無い、
軽量級でありながらKOの山を築きながらも扱いの低かった王者。
それでも腐らずに自己を高め続けた両王者を私は高く評価しています。
彼らの勤勉さ実直さを近年の日本王者にも持って欲しいと切に願います。
願わくば日の丸の国旗が世界戦の舞台で輝くことを、
一ボクシングファンとして願わずにはおれません。
Posted by ギータルリン at 2008年11月16日 00:08
こんばんわ、川尻浩作さん。
気に入らないから排除するというやり方は管理人も大嫌いです。

こんばんわ、ギータルリンさん。
ロペスは、世界戦の多くを敵地で戦いながら無敗で引退したわけですから、本当に文句のつけようのないスーパーチャンピオンでしたね。
ちなみに、ハグラーは管理人の一番好きなボクサーだったりします。
Posted by ティト at 2008年11月27日 22:19
こんばんわ、ティトさん。
本当にロペスは凄かったですね。
ロッキー・リンをKOした試合は寒気がしました。
同級1位(2位だったかも)を赤子を扱うかのようにあっけなく
KOしたことに凄く驚いたのを覚えています。
余りにも簡単に試合が終わった事が非凡さを証明していました。
後の活躍はご存知の通りですが。。。

あと余談ですが、私も一番好きなボクサーはハグラーです。
いまだにシュガー・レイとの試合は納得できません。
ああいうスタイルもあるでしょうが、ファイティングとは
なんぞや?と思ってしまいます。

長くなってしまいましたが、これからもチョコチョコと立ち寄らせていただきます。
どうぞよろしくお願い致します。
Posted by ギータルリン at 2008年12月11日 00:39
こんばんわ、ギータルリンさん。
ハグラーVSレナードの試合を経て、アウトボクサー優位の採点傾向が顕著になった気がします。
エスケープ気味の選手が勝ててしまう現行の採点基準については、管理人も疑問を感じているところです。
Posted by ティト at 2008年12月26日 23:45
こんにちは
ロぺスは端正な顔立ちと、ストロングなチャンピオンでしね。もう少し上背があれば、歴史に名を刻む選手に慣れたことは間違いなかったんでしょう。今でいうとこのミニマム級では、限界があったのは残念で仕方がありません。
それにしても、大橋氏を倒した試合はショックでしたし、逆にあの試合以来、彼の名前は日本全国で知れ渡りましたね
Posted by ヒルベルト傲慢 at 2011年03月16日 08:00
高田次郎さんとの激闘で知られるグティエスパダス氏は
当時中学生だったリカルドロペス少年の練習を見て「将来歴史を創る子だ」と見抜いたそうだが初来日した時の公開練習で僕は腰を抜かした。空振りした左upperが其の儘天井を突き破りそうな角度で伸びていたからだ。

大橋君/横浜高には申し訳なかったが到底太刀打ちできるとは思えすそのことは兄克行君に伝えた。今にして思えば大橋君に挑戦するため来日した時が長いロペス時代の幕開けだったのだ。昨今junior middle級からmiddle級に移った大橋君は当時straw級だった。
Posted by 銃刀法違反,公務執行妨害歴あり at 2015年11月15日 21:15
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/32384019

この記事へのトラックバック

リカルド・ロペス
Excerpt: 僕がボクサーの頃、この「リカルド・ロペス」を手本に練習していた。 それもそのはず、ボクシングの教科書と言われるボクサーだった。 それ程、基本に忠実に戦いギャンブル的な試合運びをしなかった。 強過ぎて..
Weblog: BOXING MAN
Tracked: 2007-02-07 22:55
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。